ハウツー

葉巻の長さや太さ・形と味の関係性【ビトラや種類別に解説】

葉巻には同じ銘柄でも様々な形や長さ、太さのシガーがあり、同じ葉巻の銘柄でも、形によって香りや味が全く異なります。
最初は葉巻の種類を理解するのが難しく、葉巻選びで迷われている方も多くいるのではないでしょうか。
今回は葉巻を種類や形の分類から紐解きます。
ぜひ葉巻選びの参考としてみてください。

葉巻の種類

葉巻には「プレミアムシガー」「ドライシガー」「シガリロ」「リトルシガー」の4つの種類があります。
それぞれの構造の違いや特徴を簡単に説明します。

プレミアムシガー

プレミアムシガーとは、歴史ある葉巻製造技術を受け継いだ職人が手作業で製造している最高級の葉巻です。
フィラーと呼ばれる葉巻中心部の葉が1枚のたばこ葉から作られています。
発酵・熟成に長い時間をかけるため、濃厚で芳醇な味わいが特徴です。

サイズが長く、太いプレミアムシガーを作るには、かなりの技術が必要なため、大きければ大きいほど貴重になります。
また、高級酒との相性も良く、じっくりと時間をかけて味わうことで、その味わいを実感することができます。
同じプレミアムシガーでも湿度や温度によって味が変わるので、シガーを吸うタイミングや環境によって異なる味を楽しむことができます。
一般的に、プレミアムシガーを楽しむには、湿度65~70%、温度18~20℃が最適だといわれています。

ドライシガー

ドライシガーとは機械で作られた葉巻でフィラーは、複数の葉を細かく刻んだたばこ葉を使用しています。
湿度管理の必要がなく、その扱いやすさが利点です。

機械巻きのため、流通量も安定しており、入手しやすいという特徴があります。
プレミアムシガーと比べると管理の手間がかからず、価格も安く、味や香りも滑らかなので、これから葉巻を吸い始めたい初心者にもおすすめです。

シガリロ

シガリロとは、スペイン語で「小さな葉巻」を意味し、プレミアムシガー、ドライシガーよりも小さい(直径1cm以下、長さ10㎝程度)の葉巻です。

構造はドライシガーと同じようにフィラーに細かく刻まれたたばこ葉が使用されています。たばこ葉100%で作られ、紙たばこの様にに紙もフィルターも使いません。
プレミアムシガー、ドライシガーとは違い、シガリロにはあらかじめ吸い口があり、5分ほどで吸い終わります。
気軽に楽しめる小型の葉巻です。

リトルシガー

リトルシガーとは、構造や大きさは紙巻きタバコとほぼ同じで、ニコチン量や風味を調整するフィルターが入っている葉巻です。
タバコとの違いとしては、一番外側に紙ではなく、タバコの葉を紙のように成形した「シートタバコ」が巻かれていることです。
見た目は「茶色い紙巻きたばこ」に似ています。

基本的な吸い方は紙巻きタバコと同じですが、味は紙巻きタバコに近いものもあれば、葉巻に近いものもあります(中のタバコ葉による)。
シートタバコを使用しているため、紙巻きタバコよりも香りが強く、葉巻の豊かな香りと紙巻きたばこの利便性を併せ持つたばこだといえるでしょう。

なお、葉巻の法的な定義は「タバコの葉で巻いた(またはタバコの葉を含む)タバコ」なので、リトルシガーは葉巻に分類されます。
そのため、たばこの様にタールやニコチンの量の記載義務はありません。

葉巻の大きさ・長さ・太さ

シガーには様々な長さと太さの組み合わせがあります。
これは、葉巻が作られるタバコ葉のブレンドとともに、葉巻の味を作り出す要因の一つです。

葉巻のサイズの表記には2種類あります。
1つは葉巻のサイズを広く総称する「ポピュラーネーム」または「ストラ・ヴィトラ」。
もう一つは清算時の厳格なサイズやシェイプを定義する「ファクトリーネーム」または「ファクトリービトラ」です。

製造国やメーカーにより呼称は異なります。
ビトラとは、サイズ、リングゲージ、シェイプ(葉巻の形状)を合成した葉巻の規格の名称であり、有名なものだとコロナ、チャーチル、ロブスト、パテナラ、トルペド、ピラミッド、パーフェクト、ベリコソなどがあります。

この2つの名称が存在するのは、販売時にお客様が選ぶ時の基準としてわかりやすくすることと、実際に工場で生産する際に厳しい基準を設ける必要がことからそれぞれの呼称が定義されています。
ただし、これらの名称は一般的にはきっちりと使い分けられているわけではなく、あまり難しく考える必要はないでしょう。

また、ビトラには葉巻のサイズや形状の規格以外に、シガーリング(葉巻に巻かれている紙片)を指すこともあります。
意味があいまいな部分があるため、そこまで厳密に覚えておく必要はないでしょう。

葉巻のシェイプ・形

葉巻には様々な「形」があります。例えば、丸い頭の代わりに尖った頭を持つものや、頭と足の両方が尖っているもの、ヒューズのように細くねじれた頭を持つものなど、実に様々な形が存在します。

頭が尖っている葉巻は「ピラミッドフィグラード」と呼ばれており、頭と足の両方が尖っているものは「パーフェクト」または「ダブルフィグラード」と呼ばれます。

また、ヘッドにねじれたヒューズがあるものは「ピグテール」と呼ばれます。通常、キャップと呼ばれる小さな葉を付けて頭を丸くしますが、このピッグテールは先端が紐のように細くなっているため、製造が難しく、熟練した職人でなければ作れないものと言われています。また、「パレホ」という形の葉巻もあります。これは頭部がまっすぐで丸い形状をしています。

なお、葉巻はキューバ発祥のため、葉巻の専門用語にはスペイン語が使われています。

葉巻の大きさ・形と味の関係

初めてシガーを試したいという方の中には、「まずは吸いやすい小ぶりなシガーから」とお考えの方も多いのではないでしょうか。 しかし、初めてシガーを試すときは、なるべく平均的なサイズから大きなサイズのシガーを試してみることをおすすめします。 なぜなら、葉巻は100%タバコの葉でできており、紙たばこのように風味を調整するフィルターがついていません。 そのため、火と吸い口の距離が長いほど、葉巻自体がフィルターの役割を果たし、煙がまろやかになるのです。

また、口から着火面が遠い方が温度が上がりにくく、味がきつくなりにくいという理由もあります。 つまり、大きなサイズの葉巻ほど、その「まろやかで自然な味わい」を楽しむことができるのです。 この2つの理由から、初心者にとっては同じ銘柄でも小さな葉巻よりも、大きな葉巻の方が美味しく感じられる人が多くいるのです。

最後に 形や大きさによる違いで葉巻をもっと楽しく

1つの銘柄の葉巻から、複数の種類の形の葉巻が生産されています。
気に入った葉巻があれば、その銘柄の他の形の葉巻を吸ってみてください。
そうすると形によって変化する部分と、変化しない部分が分かってきます。
変化する部分を楽しむこともできますし、変化しない部分からその葉巻の本質的な魅力に気が付くこともできます。
ぜひ、様々なシェイプの葉巻を吸ってみてください。